本ページの目次

1.しこりニキビとは
 −鍵となるのは「繊維組織」
 −悪化すると病院での治療が必要
2.しこりニキビの原因
 −皮膚組織の損傷
 −肌の再生機能が異常をきたしている
3.しこりニキビの効果的な治療法
 −ターンオーバーの正常化
 −私が治ったニキビケア商品
 −市販薬での対処
 −皮膚科での治療

しこりニキビとは

「しこりニキビ」とは、あごや首にできたニキビが悪化したものです。特に大人にできやすく、人によっては繰り返す傾向があります。ただし「悪化」と言っても、ニキビによってできた傷を治そうという治癒行為の過程で発生したものです。特徴は以下の写真のように赤く膨れ上がることです。

 

しこりニキビ

※写真は典型的なしこりニキビの例です。

 

顔の中では頬やおでこ(額)、耳、眉間、こめかみ、眉、鼻の横や下にできることもあります。体では背中や胸、おしり、腕や足の付け根、脇の下お腹やvライン、陰部あたりが比較的発症しやすい部位です。

 

一般的に、ニキビは毛穴周辺の皮膚組織がアクネ菌によって炎症を引き起こされてできます。だからアクネ菌を減らして炎症を鎮めればニキビは治ります。しかし炎症がひど過ぎたり、ニキビを潰したりして皮膚組織が傷つくことがあります。

 

この時、皮膚は傷口を治そうと治癒行為を始めます。傷口に血液の成分(フィブリン)を送り、ノリのような役割を果たすのです。これにより、通常24時間以内に傷口は塞がり、ばい菌などが進入する危険性も下がります。

 

しこりの中身は「繊維組織」

一方、皮膚の内部からも治癒行為が行われます。「繊維組織」と呼ばれるボンドのようなものが生産されて、傷口を補強していきます。こうして傷口は強固に塞がり、見た目にも傷跡はなくなっていきます。

 

しかし「繊維組織」の生産が過剰になり、大きい膨らみとなって目立つ場合があります。この状態が「しこりニキビ」です。医学用語では「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と言います。一般的なしこりニキビは大きさが1円玉ほどのサイズで、特別な処置をしなくても時間とともに平らになっていきます。傷が治っていくと同時に、繊維組織も吸収されていくからです。

 

痛くない時もありますが、大抵しこりニキビは痒いです。固いから強めに掻いてしまう人がいますが、傷つきやすいので我慢してください。どうしても繰り返し痒みが気になる人は絆創膏(おすすめはキズパワーパッド)を貼るとだいぶ収まります。

 

悪化すると病院での治療が必要

ただし、皮膚の状態が悪化し、紫色や赤黒いニキビが爆発的に周囲に広がっていく場合は、早急に医師による治療が必要です。これは「ケロイド」と呼ばれる状態で、放っておいても自然治癒することはありません。

 

しこりニキビと粉瘤の違い

黒いニキビ?いつまでも治らないな…と思ったら、それは粉瘤(ふんりゅう)かもしれません。粉瘤は角化した上皮細胞や脂肪類からなるこぶ(良性の腫瘍)で、治療には摘出手術が必要です。
詳しくは長瀬内科医院の解説ページを読んでください。

 

以下、本ページでは一般的な「しこりにきび」=肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)について解説していきます。

しこりニキビの原因

しこりニキビの大元は普通のニキビです。普段から大量の脂質や糖分を含んでいる食べ物を好む人はニキビができやすいです。

 

また女性の場合は生理前や妊娠中に黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加することで皮脂の分泌が盛んになります。最初は小さなニキビでも、しこりになるとあまりの巨大さに多くの人が驚きます。

 

皮膚組織の損傷

しこりニキビの主な原因は、ニキビができた場所の皮膚組織が傷つくことにあります。そして傷を修復する「繊維組織」の生産が過剰になることで、ニキビが異様に膨れ上がった状態になります。

 

あごや首は、顔の中でも毛が生えやすい部位で毛穴が大きく、それだけアクネ菌による炎症が起こりやすい部位です。また服による摩擦や、手で触れる機会も多いため、刺激を受けやすい部位です。そして、ニキビが潰れたり、傷ついたりします。そのため、しこりニキビはあごや首にできやすいのです。

 

炎症を起こして腫れているので熱いと感じて、その対策として冷やす人もいますが意味はありません。余計な刺激を与えるならば放置したほうがマシです。

 

肌の再生機能が異常をきたしている

また二次的な原因として、肌の再生機能(ターンオーバー)が正常に行われていないことも挙げられます。ターンオーバーが正常に行われるためには、肌に必要な栄養素(ビタミンやたんぱく質)がしっかりと摂取され、適切な睡眠と肌に適切な水分がある(保湿されている)状態が必要です。一般的にニキビができても、ターンオーバーが正常に行われている状態であれば、ニキビ跡ができたり悪化したりする前に改善します。

 

しかしターンオーバーが正常でない状態においては、ニキビの炎症はなかなか治まらず、また肌の再生機能も低下しているため、長期間にわたってニキビが続いてしまいます。その結果、ニキビが悪化して皮膚組織が傷つく可能性が高まってしまいます。特に大人は生活リズムや食生活が崩れやすく、ストレスもたまりやすいため、しこりニキビができやすい傾向があります。

 

 

しこりニキビの効果的な治療法

一般的にしこりニキビは、傷口の回復とともに治まっていき、徐々に平らになっていきます。そのため、特別なケアをするよりも、ターンオーバー(肌の再生)を正常化するための基本的なニキビケアを継続することが効果的です。この場合、しこりニキビの予防にもなります。

 

しかし、長期間にわたってしこりニキビが治らない場合は、跡が残ったり、ケロイドに悪化したりするリスクを回避するために、皮膚科での専門的な治療が必要です。

 

 

ターンオーバーを正常化するための基本的なニキビケア

ターンオーバーを正常化するためには、以下の3つのニキビケアが推奨されています。

 

栄養バランスの良い食事

第一に、肌の調子を整えて、綺麗な肌をつくるビタミンCを含む野菜を毎日食べましょう。具体的にはピーマン、ブロッコリー、キャベツ、トマトなどです。果物の場合は柿、レモン、ゆず、グレープフルーツ、みかん、パインアップルなどです。最近はコンビニやスーパーで1食分のサラダを購入できるので、手間をかけたくない人にはお勧めです。また、究極的にはサプリメントで補ってもかまいません。

 

最高の睡眠

第二に、夜にしっかりと寝ることです。人間の体は太陽の光を浴びることを前提に体内時計が動きます。そして人の細胞の再生活動は夜の10時〜深夜2時に最も活性化します。この時間帯は「お肌のゴールデンタイム」とも言われており、この時間に寝ていることでターンオーバーも正常に行われます。絶対に夜10時に寝ないといけないわけではありませんが、この時間帯前後に寝ていることが望ましいでしょう。また、睡眠時間は6〜8時間ほどが最適であるとも言われています。

 

肌の潤い

第三に、肌の乾燥を避け潤いを保つことです。肌が乾燥していると肌荒れやニキビができやすくなり、結果的にしこりニキビにもつながります。また、肌に潤いがないとターンオーバーが異常をきたして、綺麗な肌が生まれにくくなります。ニキビ跡ができやすい人、またはしこりニキビがある人はこの乾燥に注意するべきでしょう。

 

 

私が使って効果を実感したニキビケア商品

特にあごや首にしこりニキビができやすい人(乾燥しやすい人)は丁寧なスキンケアを行うと効果があります。無数にあるスキンケア商品の中で、私が使って最も効果が上がったものを二つ紹介しておきます。

 

ビーグレン『ニキビケアセット』

 

ビーグレン『ニキビケアセット』

 

アメリカの化粧品メーカーであるビーグレンは「QuSome(キューソーム)」という新しいテクノロジーを応用したニキビケア商品を開発しました。「QuSome」とは、薬の成分を直径70〜150ナノメートル(針の先に50個ほど収まる非常に小さなサイズ)にすることで、肌の深層まで浸透させることを可能にしたテクノロジーです。

 

「QuSome」技術によって高濃度ビタミンCを肌の深層に浸透させることで、ニキビの炎症を抑えて肌の修復を促し、綺麗な肌を目指します。

 

このビーグレンの『ニキビケアセット』には洗顔料・ローション・美容液・モイスチャージェルの4点が含まれています。この4点が1週間分試せるトライアルセットが1,800円で購入できます。

 

ビーグレン『ニキビケアセット』公式サイト

 

 

 

富士フィルム『ルナメアAC』

 

富士フィルム『ルナメアAC』

 

日本の老舗メーカー富士フィルムが開発したルナミアACの特徴はファイバースクラブという糸状の繊維です。ファイバースクラブは毛穴より細いため、毛穴上部にもぐりこんで角栓や毛穴を絡み取ります。毛穴内の皮脂を排除することでニキビの原因が減り、しこりニキビの予防につながります。

 

また、富士フィルムも独自のナノ技術を利用して、ニキビ有効成分を肌の奥まで浸透させることに成功しました。乾燥しやすい人もルナメアACの化粧水を使い、ジェルで蓋をすることでしっかりと潤いをキープすることが可能です。

 

このルナメアACの洗顔料・化粧水・ジェルクリームがセットになった「1週間お手入れキット」が1,000円で購入できます。

 

富士フィルム『ルナメアAC』公式サイト

 

 

 

しこりニキビの場合は洗顔は重要ではありません。プロアクティブやクレアラシルで治ったという人もいますが、刺激が強いので肌の強さに自信がある人は試してもよいでしょう。

 

 

市販薬での対処法

上記以外にも、昔ながらの定番市販薬であるオロナインを使用してしこりニキビを治すことも可能です。またアクアチウム軟膏やテラコートリル軟膏、ペアアクネクリームなども有効です。飲み薬だとチョコラbbなどが有名ですね。ただしぜんそくなどのアレルギー疾患がある人や薬物に過剰な反応を示す人は逆に悪化することもあるので注意してください。

 

化学的に生成された薬がダメな人は漢方薬がおすすめです。漢方は種類がたくさんあるので、薬剤師や漢方薬局で必ず確認してください。

 

町田製薬の「たこの吸出し」というテープのような商品は面白いです。しこりニキビのように芯がないから潰せない患部に貼ってから寝ると、翌朝中の膿が出てくるらしいです笑。試したことがないので、確証はありません。

 

 

皮膚科での治療

皮膚科での治療は主に3つあります。

  1. 内服薬
  2. ステロイド軟膏
  3. ステロイド注射

 

内服薬(飲み薬)は「リザベン」という薬を用います。リザベンにはしこりニキビが悪化するのを防いだり、痛みを和らげる効果があります。一般的にはまず内服薬を使用して経過を見ます。また合わせて塗り薬であるステロイド軟膏を使用することもあります。

 

注射は患部に直接行うため痛みがひどく、複数回使用しなければなりません。また患部がへこんでしまう副作用があるため、使用の際には注意が必要です。

 

もし、しこりニキビが長期間にわたって治らない場合、または赤みがひどくなり周囲にも広がった場合は、「ケロイド」に悪化した可能性があります。この「ケロイド」は自然治癒の見込みはありませんので、できるだけ早めに皮膚科医での治療を受けてください。

 

また、にきびの痕ができた場合は、美容皮膚科でピーリング治療などで綺麗にすることができますが、自由診療のためかなり高額になる事を覚悟してください。他には炎症を抑える薬の局所注射、レーザー照射、切開手術で摘出する外科的処置などがあります。こんな大事にならないように丁寧にスキンケアすることが大事ですね。

 

ステロイドの他にも、炎症を鎮める薬として処方される可能性がある薬を列挙しておきます。保湿効果のあるヒルドイド軟膏、皮脂の分泌を抑えるトレチノイン、皮脂の分泌を抑えるディフェリン、抗生物質であるダラシン・ベピオゲル、強力な効果を持つリンデロン・ロコイド・ゲンタシン・ドルマイシンなどがあります。

 

邪道ですが、女性ホルモンを増加させるピルを服用することでニキビを治そうと考える人がいます。しかし、体調を崩す可能性があるので、必ず病院で診察を受けてから医師の指導のもとししてください。

 

 

すぐに治す方法は?

1日で早く治すことはできませんか?と聞かれることがあります。外科的治療を除いて、しこりニキビの即効性のある治療法はありません。治るまで時間がかかるのは仕方がありません。

 

どうしてもと言うならば、大きなマスクをつけておくのが良いでしょう。女性ならメイクでごまかすことができるかもしれませんが、膨らみがでかいのでかえって目立つかもしれません。また化粧がニキビを悪化させることもあるので、上手な隠し方を見つけられるといいですね。

 

稀に膿が出ないからと言って針などでしこりニキビを潰す人もいますが、非常に危険な行為です。うまく潰れない場合や、下手に潰れた時は悪化したり跡が残ったりします。

 

白や黄色の膿が貯まったしこりニキビの対処法もありますが、面ぽう圧出器などで丁寧に膿を出すことができれば早期解決につながりますが、失敗すると逆効果なので慎重に行ってください。指の先で絞るのは絶対失敗するのでやめてください。